令和6年7月29日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
炎暑でございますので、お見舞い申し上げます。それぞれ体調に気を配られながら、コロナも流行しているとのことでございますので、体調にお気をつけていただき、エアコン等の空調を適切にご利用いただいて、御自愛いただきますよう、お過ごしいただきますようお祈り申し上げます。
パリ五輪が開幕をいたしまして、開幕当初より熱戦が繰り広げられておりまして、応援される方、また感動を共有する方も多いと思います。
インフロニア草津アクアティクスセンターの開所式を週末迎えました。草津市と滋賀県とで共同で整備を進め、今後共同で運営するこのプールですが、平成28年度(2016年度)にプールをつくることを決めて以降、様々な事がありましたけれども、おかげさまでお力添えいただき、8年の歳月を経て、完成したプールでございまして、感慨一入でございました。8月1日から一般利用が開始されるということでございます。まずは市民、県民の皆様方に大いに御利用いただいて、健康づくりに活かしていただきたいという事と、駅に近く、全国レベルの大会が開催できるといった施設になっておりますので、このような事にも大いに御活用いただければという事と、来年いよいよ開催いたします「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ大会」の水泳等の競技の会場になりますので、おもてなしをしていきたいと思います。
もう1点、ブラジルのリオグランデドスール州で、こちらは滋賀県の姉妹州でございますが、春に記録的な大雨が降り、リオグランデドスール州内には約500の自治体があると聞いておりますが、95%で洪水が発生し、水が引き始めるまでに約1か月を要し、大きな被害が出ていると聞いております。こちらがその一部で、5月の写真でございますが、お亡くなりになった方が170人以上、被災された方が200万人以上、また6万戸以上の住宅が損壊ということでございまして、被害総額が約1400億円以上にのぼると報じられており、ブラジル史上最悪の水害と言われているということでございます。今まさに冬でございまして、現地は寒い状況と聞いております。40年以上にわたって姉妹県州として交流を進めてきており、現地には私もまだ行ったことはございませんが、滋賀を記念する公園もあるようでございまして、そういう古くからの友人が被災したということも受け、先般、Webで状況のやり取りをさせていただきましたが、お見舞いと連帯の気持ちを表し、復興に向けて支援・協力していく一助とするために、滋賀県国際協会で支援金を募らせていただくこととしました。こちらにその概要を記しておりますが、明日7月30日から開始いたします。専用口座を開設するとともに、県庁と国際協会、そしてパスポートセンターに募金箱を設置させていただく予定でございます。皆様方の御厚志、お力添えいただければ幸いでございます。
それでは資料に基づきまして、今日は3点お知らせをいたします。まず1つ目、来年3月9日日曜日にびわ湖マラソン2025が開催されます。ランナー7000人、次回はペアリレーマラソンという新たな競技カテゴリーをつくりまして、こちらは100組200人、ボランティアに御参加いただく方が3000人を募集したいということで、その募集を8月1日木曜日午後2時から開始いたします。ペアリレーマラソンは今回初で、2人1組でたすきを繋ぎ、フルマラソンの完走を目指すファンラン種目ということでございます。第1走者が約26キロ、第2走者が約16キロで、初めての方や、これからフルマラソンに挑戦したいと思われている方におすすめのレースということでございます。また、ランナーの目標達成をサポートするペースランナーというものも導入されるということでございます。今大会のメインビジュアルは、2024本屋大賞を受賞された宮島未奈さんの御著書「成瀬は天下を取りにいく」の主人公である「成瀬あかり」とその友人「島崎みゆき」が出てきているということだそうでございます。大人気のイラストレーターの「ざしきわらし」さんがびわ湖マラソンのために描き下ろしていただいたということだそうでございます。ポスターやパンフレットなどにデザインされておりますので、ぜひ手に取って御覧いただきたいと思います。私も先般、県庁内で見つけまして、思わず手に取って持ち帰り、内容を確認しているということでございます。2025年はこの3月にびわ湖マラソン、4月に大阪・関西万博、そして9月末から10月にかけては、わたSHIGA輝く国スポ・障スポ大会ということで滋賀にとって特別な年ともなります。そのスタートを切るびわ湖マラソンは、従来のキャッチフレーズ「マラソンを通じた「人も自然も健康に輝く大会」に今回、「びわ湖から、広がる日本、広がる世界、つながる未来」を加えて、このような発信をしていきたいと考えております。次の開催で3回目ということになります。無事・安全に大会を完遂するということと併せて、新しい取組、また様々な御意見等をいただいて、反省点もありますので、そういうものを改善しながら、多くの皆様に喜んでいただける大会にしたいと思いますので、奮って御参加いただき、盛り上げていただければ幸いです。
続いての話題は、デジタル地域コミュニティ通貨「ビワコ」についてでございます。滋賀県では2年前の令和4年7月25日からデジタル地域コミュニティ通貨「ビワコ」のサービスを開始し、先日2周年を迎えました。体験を提供するスポットはこれまでに700以上の企業や団体や個人の皆様に御参画をいただき、ユーザー数はまもなく2万人に達すると聞いております。この度は「ビワコ」のサービス提供開始から2年という節目を迎え、昨年度も御好評いただいた子どもたちの夏休みの自由研究に役立ててもらえるイベントを、今年度は地域を拡大して、昨年は5つの市町でしたが、今回は7つの市町で実施しようというものでございます。具体的にはそちらにも記載されていると思いますが、「ビワコ」を導入している守山市、多賀町、甲賀市、高島市、長浜市、近江八幡市、日野町におきまして、デジタルスタンプラリーやまち歩きのコースを作成することで、子どもたちが自分の住む地域について楽しみながら学びを深める体験を提供したい、ということで、県では県内外の皆様に地域の魅力に触れていただいたり、新たな人と繋がっていただく、そのきっかけとして、引き続きデジタル地域コミュニティ通貨「ビワコ」の利用拡大を図り、地域の賑わいづくりに貢献していきたいと考えています。ぜひ報道機関各位の御注目もいただければ幸いでございます。
3点目の話題提供は、水中遺跡保存活用基本構想の策定の着手についてです。長浜市葛籠尾崎湖底遺跡は、日本の水中遺跡調査研究の発祥地の1つだそうでございます。その遺跡が発見されたのが、大正13年(1924年)で、今年は100年の節目になります。これを機に、今年度から琵琶湖に眠る水中遺跡魅力発掘・発信事業をスタートさせました。水中に埋蔵文化財が所在する場所を水中遺跡と言いますが、琵琶湖の水中遺跡は本県ならではの埋蔵文化財として約80ヶ所を確認しております。主だったものをこのように地図に掲載しておりますが、これは国内屈指の数だそうでございまして、縄文時代以来、琵琶湖とともに暮らしてきた県民の歴史を生き生きと物語る滋賀の宝でもあります。この誇りである文化財に光を当て、調査を行い、その価値と魅力を県民の皆さん、多くの方々と共有することにより、また発信することにより、滋賀の宝として一層の保存、活用を図ってまいりたいと存じます。そのための方針と計画の策定に向け、第1回琵琶湖の水中遺跡保存活用基本構想検討会議を来る8月5日に開催いたします。水中遺跡研究の第一人者の方々、有識者3名に加えまして、国も注目されている事業だそうでございまして、文化庁の文化財調査官2名もオブザーバーで御参加いただく予定となっております。この会議を中心に研究や議論を重ねまして、来年度、令和7年度中の基本構想の策定を目指してまいります。多くの皆さんにこの滋賀の宝を知ってもらうため、記念講演会なども開催する予定でございます。まさに、水中遺跡の謎とロマンを解き明かす大きな一歩としてまいりたいと思います。
[びわ湖放送]
ブラジルのリオグランデドスール州の洪水の件で、県内のブラジルの方は昨年末時点で9000人以上いらっしゃるということですが、リオグランデドスール州とも40年以上前の1980年に姉妹提携を結ばれたということで、この40年間以上は滋賀県とブラジルはどういった関係だったと思われますでしょうか。
【知事】
リオグランデドスール州にはパトス湖という湖が、そして私達には琵琶湖という湖があります。両国を代表する湖が御縁となりまして、1980年に姉妹県州協定を締結いたしました。以来、使節団の相互交流や、県職員や技術研修生等の受け入れ等を通じまして、文化や科学技術、スポーツなどの分野で交流を積み重ね、相互理解や友好を深めてきております。1983年には、県内庭園技術者の方々の御協力により、日本庭園滋賀公園を現地につくり、寄贈をされたということで、現地では小さな滋賀県と呼ばれ大変親しまれていると聞いております。そういう意味で私達も大事にする、また長く続いてきたこの交流の歴史でございます。2020年、姉妹協定締結40周年記念の年でございまして、私も伺って記念式典をする予定でございましたが、御案内のとおり、新型コロナの蔓延により中止となりまして、オンラインによる交流などを行ってきたということでございます。直近の往来としては、2017年度にリオグランデドスール州の知事が御来県され、州の環境団の御来県もあったと。また滋賀県からは2019年度にその翌年の記念式典の準備ということもあって、職員2名を派遣し、州政府との協議を行ってきたということがございます。何より今回の被災等を受けてお見舞いを申し上げるとともに、1日も早い復旧や復興を祈り、皆様方のお力添えをいただけたら幸いでございます。
[びわ湖放送]
そういった40年以上交流のあったリオグランデドスール州がこういった被害に遭ったことについてどのように思われますか。
【知事】
やはり自然災害の猛威というものに慄く私達がいるのだと思います。したがって困ったときはお互い様ということで協力をしていきたい、また支援をしていきたいと思います、と同時に、我が滋賀県も後ほどお尋ねがあるのかもしれませんが豪雨による伊吹山の土砂流出をはじめとする自然災害による被害が出ておりますので、こういったことに備えを行っていきたいと思います。
[びわ湖放送]
米原の土砂災害についてですが、先ほども米原市長とお話されましたけれども、改めてになりますが1日に土砂災害が発生して、また今回大規模な土砂災害が起こってしまいました。その間もちょこちょことあったということなのですが、頻繁にあるということについて改めてどのように受け止めていらっしゃいますか。
【知事】
今お尋ねいただいたように、今月に入ってからだけでも3度大きな土砂流出が起こっているということでございます。被害に遭われた方、土砂が流出してきた集落の皆様方、住民の皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。やはりそれだけ伊吹山が傷んでいるということだと思います。特に3度目の雨はそんなに多くの雨が降ったわけじゃないという報告を受けていますが、にもかかわらずこれだけの土砂が多く流れ、一歩間違えれば人的被害が起こりうる土砂が落ちてきているということについていえば、伊吹山がこういった雨や土砂を食い止めるだけの保水力を十分保てていない部分があるという証左だと思いますので、現地また上流、山肌などを早急に点検し、昨年度からシカの食害対策を含めてやってきておりますけれども、さらに力を入れてすぐにやれることと、抜本的にやらなければいけないことを並行して行っていきたいと思います。
[びわ湖放送]
すぐにやれることについては、先ほどの米原市長とのお話の中でもありました。お盆までにという知事の思いが多分強いと思うのですが、その辺いかがでしょうか。
【知事】
米原市からは市長から緊急の要望を先ほどウェブオンラインでいただきました。度重なる土砂流出、少ない雨でも土砂が流出していたという住民の皆さんの大いなる御不安を私達にも共有をしていただきました。4点対策要望をいただきましたが、私どもといたしましても、先般、発表しました災害対策プランですね、これは緊急にやるハード・ソフト対策、そして抜本的に少し時間をかけてやる対策と、これらを早期に進めていくために、長浜土木事務所体制を増強いたしまして対応するということ。また治山の堰堤があるのですが、砂防堰堤の土砂は少し取り除くことができていますが、こちらの上流の治山堰堤の土砂がたまったままでございます。こちらに溜まったものを撤去する。ただ周りに木があったり、また私有地があったりするようですので、地権者の方の合意を昨日取り付けることができたということですので、早速重機が入れるような場所も確保しながら撤去していきたい。そのことによって次の雨も受けられるようにするということと、さらにこれだけ続いているということを受けまして、その上流の3合目辺り、昨年私も見に行って、土砂や石が上流から雨等で流れ、崩れ落ちたというところがございますので、そこから雨が降るたびにこちらに流れてきているのではないかということが予想されますので、こちらに応急対策として約1トンの重さがある袋詰玉石というものを約30m敷き詰めて、少しでも受けられるようにしようと。ただあんまり高く、多く積むと、このもの自体が流されて次なる人災を起こさないとも限りませんので、少し工法等は工夫すると聞いていますが、こういう対策を行っていきたいと思います。今申し上げた2つのことは、業者との契約等でまた雨の降り様で、若干の変動はあると思いますが、できるだけ早く、お盆までに完了するよう指示をいたしました。また、砂防堰堤のところにワイヤーネット、これは先般発表したプランの中でも入れていましたけれど、少しでも食い止められるようにということで、ワイヤーネットの設置を予定しておりますので、こちらもできるだけ早く、だいたい工事は8月中かかるんじゃないかということでございますが、できるだけ早く完了するように意識をしているところでございます。市長からはこの勝山谷川筋だけじゃなくて、他にも上から落ちてくるものが流れるようにすることも検討すべきじゃないかというお話をいただきましたが、こちらは流すことによって、流れが変わることによって出てくる影響も十分勘案する必要があると思いますので、専門職員の現地の調査等を踏まえて、米原市ともよく相談して対応を検討していきたいと思います。
[読売新聞]
米原市の土砂崩れについてですが、昨年問題になりました植生が失われ、いわゆる裸地化が起こり、地形が変わっていることが今回の一連の土砂崩れに影響しているんじゃないかという考えもあると思うのですが、その裸地化が進んでいる原因についてシカの食害という観点が一つあるかと思います。県としては裸地化とシカの食害の因果関係、それはどのように考えているのでしょうか。
【知事】
自然との関係でございますので、全て100%確定判断ということにはならないと思いますが、昨年も現地で伺った知見等によりますれば、私はシカによる食害が裸地化の大きな原因の一つだと考えております。それは米原市とも認識を共有しております。
[読売新聞]
今回の土砂崩れの一連の対策を今お示しいただきましたけれども、それよりも根本的な今申し上げた裸地化の対策、いわゆるシカの食害の対策はどのように手立てを講じていこうというお考えなのでしょうか。
【知事】
昨年来温暖化によって越冬することができるシカが増え、そのシカがたくさんの草を食べ、これは一部貴重な植生も食してしまうと聞いていますが、そういったシカを適正な数にして管理することができるよう捕獲するとか、また食害が進んでいるところについては入らないための柵やネットを施すとか、そういったことを米原市と滋賀県が共同して行っていくということです。これなかなかすぐに一度裸地化したところの植生を回復するというのはなかなか容易なことではないと思いますが、まずは食べてしまうシカを最大限入らないようにするという対策を講じることで、植生を回復させるという作業を進めていきたいと思います。
[読売新聞]
びわ湖マラソンが3回目ということですけれども、今回の魅力みたいなところを大会自体の魅力とかも含めて教えてください。
【知事】
毎回御取材いただいたり、また一部御参加された方もいらっしゃると思いますが、琵琶湖沿いを走るマラソン大会ですので、雄大な湖岸の景色、風を受けながら、まだこの時期は少し比良比叡に雪化粧が残る、そういう景色も楽しみながら走っていただけるそういうレースですね。またボランティア3000人の方々をはじめ、多くの観衆の方々、サポーターなどが応援したり、また様々な振る舞いをさせていただきながら、ちょっとまだどのポイントにどういう食べ物をということはこれからだと思いますが、滋賀ならではの食材などをお楽しみいただきながら走っていただければと。早春の一つの自分の脚試しのために御参加いただけるレースではないかなと思います。全国各地に数多のマラソン大会がありますが、これだけ多くのボランティアの方が参加されるレースもあまりないように聞いておりますので、そういったところは大事にしていきたいと思います。
[読売新聞]
ペアリレーマラソンが新設されますが、その辺の狙いなどをお聞かせください。
【知事】
私もこのペアリレーというのを聞いたときに、こういうやり方、種目がつくれるのかと思いました。1人でフル完走にチャレンジするのもいいことですけど、こうやって2人1組でたすきを繋いでフルマラソン完走を目指すという種目も面白そうだなと思いました。私も3回目挑戦しようと思いシューズを買って、この夏から本格的に練習を始め、当たるかどうかわかりませんが、申し込んでみようと思っておりますが、初回なので妻と相談して、このペアリレーマラソンに応募しようかと考えているところです。どっちがどっちを走るかというのは今協議中でお願いします。
[共同通信]
先ほど発表していただいた水中遺跡の発掘調査について、県として大々的にこれまで調査されたことというのはあるのでしょうか。
【知事】
後ろに水中遺跡命の専門家がおりますので、後ほど詳しく御説明いただければと思いますが、少なくとも私が知事になってからはないです。10年間では初めてです。
[担当者]
琵琶湖総合開発に伴う発掘調査を20年来やっていた時期がございます。
【知事】
琵琶湖総合開発という昭和40年代から平成の初期にかけて行った大規模な事業があるのですが、そのときにいろいろ湖底、湖辺を触らせていただくことがあり、粟津の湖底遺跡とか、そういった調査などを少し時間をかけてやらせていただいたことはありますが、以来行ったことはありません。
[共同通信]
具体的にどういった調査をされるのかというのはこれから決まっていくことになると思いますが、この調査に着手する意義、どういうことを発信していきたいか改めて知事のお考えを教えていただけますか。
【知事】
これは昨年末から私もある資料を見て、改めて滋賀、特に琵琶湖にはこういう水中遺跡があるんだねと。そして最初に葛籠尾崎湖底遺跡が発見されて100年の節目になるんだねと。改めてこういったものを調べて、どういう歴史があったのか。どうゆう宝物があるのか。勉強してみないかということで投げかけましたところ、担当職員もそしたらやってみましょうということで、まず今年度来年度をかけて、大事なものですのでどこにどんなものがあるんだ、どうやって保存・活用すればいいだという構想をまずつくらせてくださいということで、今年度から予算を少し計上させていただいて取り組みを始めたところです。やはり私達真ん中に琵琶湖があって、有史以来この琵琶湖とともに水運を利用したり、また様々な戦があったりということでございました。城を構えたり。ですから水中遺跡を調べることは、近江、滋賀が歩んできた道を知ることにもなりますので、歩んできた道、歴史を知ることは、未来に向けて歩いていく縁にもなりますので、そういう意味合いで勉強させていただこうと思います。ただ水中深く沈んでいるものですとか、時間の経過とともに大切にしなければならないけれどもその保存状態が十分じゃないものもありますので、ここは丁寧にやっていきたいと思います。したがって専門の知見もしっかりと承っていきたいということでございます。
[共同通信]
先週、原子力規制委員会で敦賀原発の2号機が新規制基準に適合してないという判定がされたのですけれども、立地としても近い滋賀県としてはこの判断をどのようにお考えになっているか教えていただけますでしょうか。
【知事】
先週末行われた原子力規制委員会の審査会合で、敦賀原発の2号機に関して断層の活動性と連続性が否定できないということから、設置許可基準に適合していると認められないという結論が出されたと承知をしております。従来から申し上げているとおり、原子力発電所の存在、運転は安全第一、安全最優先を旨としてほしいし、されていると承知をしておりますので、そういうサイドに立った判断ではないかと理解をしておりますが、今後、審査会合から月末には規制委員会の定例会というものが行われ判断される見通し、見込みだと聞いておりますので、その内容も注視していきたいと思います。
[京都新聞]
原発に関連してですが、滋賀県は長浜市と高島市が敦賀原発のUPZ(Urgent Protective action planning Zone:緊急防護措置を準備する区域)に入っていると思いますので、原電(日本原子力発電株式会社)は今回の判断を受けて追加調査をするような意向を示しているようですけれども、原電はもともとデータの改ざんなどもあって審査に時間がかかっていた経過もあると思うのですが、こういった姿勢についてはどのように見ていらっしゃいますか。
【知事】
まず、原子力事業者の御対応というものについて1つ1つ私がコメントするのは控えたいと思いますが、先ほども申し上げたように、原子力規制委員会の審査および決定は科学的・技術的な知見に基づき行われると理解しておりますので、そういうものに沿った事業者の対応というものを期待したいと思います。最終確定判断はまだこれからだとすれば、そういったものを受けてどのような御判断を事業者がされるのかということについてはよく見ていきたいと思います。
[日本経済新聞]
水中遺跡について、知事のお話とこの文面からすると光を当てて活用するとありました。埋蔵文化財センターで保管しているということなので、なかなか人目に触れる感じではないのだと思うのですが、光を当てる、活用するというのはアカデミズムの世界で、学会で積極的に発表していくということなのか、あるいは一般の人にもうちょっとわかりやすく工夫して見せるということなのか、この辺りいかがでしょうか。
【知事】
両面あると思います。そういったことも含めて、8月5日から本格的にスタートする検討会議で、いろいろな御意見を承りたいと思います。ややもすると、これまで発見されてきたものを十分活用できていなかった面もあるのではないか、また滋賀県の場合、琵琶湖も含めて数多こういった遺跡が発見されているのですけれども、どんな状態で管理されているのかということについてももう1回検証してみないといけないと思います。いずれにしろ、見つけるだけではなくて活用するということは念頭に置いて検討していただきたいと思います。
[日本経済新聞]
アカデミズムではなく、一般の人に見せるという話になると、例えば令和9年に琵琶湖文化館が今計画されていると思います。その一部にコーナーをつくるとか、そうなると結構面白いのかなと勝手に思っているのですが、そんなことも頭にありますでしょうか。
【知事】
従来の所掌、受け持ちからすると、文化館が担当している歴史分野と、この埋蔵物、水中を含めた埋蔵物を保存もしくは管理する施設というのはちょっと違ったのかもしれません。しかし、可能な限り文化館等でもどういう展示等ができるのか、紹介ができるのかというのは考えていきたいと思います。
[日本経済新聞]
今知事がおっしゃったようなことは、役所の中の縦割りの話だと思います。それは一般の人に非常にわかりにくくて、担当がこうですって言われても。
【知事】
しかし、安土の考古博物館で信長時代のものと合わせて、この縄文、弥生の様々な物々も展示していることもございます。今回、そのリニューアル等するタイミングでもありますので、今後今おっしゃったように、そういった所掌を超えて、担当する歴史の時代というものを少しミックスさせて、どのように皆さんにお知らせできるかというのは考えていきたいと思います。
[日本経済新聞]
先ほど知事のお話の中で、この水中遺跡は国内屈指の数だとおっしゃいましたが、国内の中でそんなにあるものなのでしょうか。
【知事】
私もこの分野において、どこにどういった時代のものがどれだけあるのかというのは定かではありません。そもそもこの時代、それぞれの時代に、どこにどういう人が住んでいて往来していたのかということにもよるのかもしれません。琉球には琉球のものがあったのかもしれませんし、東北、蝦夷にはそういったものがあったのかもしれませんので、いずれにしろ、滋賀県が、近江の時代も含めて、どういう水中湖底遺跡の位置づけにあるのかということも再評価していただければと思います。
[中日新聞]
先ほどあった子ども政策推進本部員会議について、来年度の重点項目に「子どもの貧困の解消」というのを新たに加えようかというお話だったと思うのですが、この件については特に知事は思い入れがあるというようなお話もあったと思います。そういったところを入れようと思った理由や思いをもう一度お聞かせください。
【知事】
従前から困難な環境にある子どもたち、世帯への対策というのは力を入れてきたところでございますが、今般、国においても子どもの貧困の「解消」と、改正し明確に銘打った法律が制定されたことを受けて、先般も滋賀県庁で関西フォーラムが開催されました。様々な現状等、必要な対策等も議論され、その場に私も参画させていただいたこともございましたので、改めて県内の現状を確認するとともに、法律で規定されている事々が現状に照らしてどれだけ行われているのか、また、さらに必要な対策はないのかというのを考えていくべきではないかと思い、滋賀県においても次なる施策の中により重点的に入れていくべきではないかと提起させていただきました。しかし、今日は少し具体的な柱立てが中心でしたので、その内容についても一部意見や質問も出ていましたので、さらにどういう視点で施策構築していくのかということをもう少し煮詰めて、部局内みんなで共有したいと思います。
[中日新聞]
貧困の現状について、県内の貧困の現状というのはどういうふうに見てらっしゃいますか。
【知事】
様々な報告、また御提起等はいただいているのですが、統計的なデータとして「県内で」というのは十分把握できていないのが現状です。したがって、国レベルで、もしくはアンケート等で取られているものを私達が共有させていただいているということですので、滋賀県としてどうかということについては定量的なデータをお示しすることができないんですけれども、従来から言われておりますように、例えばひとり親家庭で相対的に厳しい状況に追い込まれる世帯が多いということでありますとか、その世帯の、例えば子どもたちの様々な体験というものが、そうではない家庭に比べて少なくなってしまい、その体験の差が未来への希望の格差に繋がってしまっているという現状をどのように見ているのかという視点も重要だと思いですので、少しどういう状態になっているのかということの調査や確認も含めて滋賀県としてできる対応を考えていきたいと思います。
[毎日放送]
土砂崩れの対策の件で整理したいのですが、砂防堰堤に溜まっている土砂の撤去と、あと水が溜まっているところに玉石を設置するというのは、お盆までにやるという理解でよろしいでしょうか。
【知事】
私が申し上げていますのは、既に最下流の堰堤については、土砂の撤去が一定できている状態ですけれども、25日の雨を受けてどういう状態になっているのかというのは今確認をさせているところです。今日、私がお盆までに、8月中旬までにやろうと申し上げたのは、治山堰堤という、さらに上流にある堰堤にたまっている土砂の撤去と、そしてこの3合目、赤の矢印のあるこの辺りに袋詰め玉石というものを約30m設置させていただく工事につきましては、8月中旬までにやるように指示をしました。
[毎日放送]
別の砂防ダムにワイヤーネットをつけるというのは、8月下旬まででしょうか。
【知事】
ワイヤーネットは、今申し上げた治山堰堤よりも下流、そして砂防堰堤の上流と下流に設置をしようとしております。
[毎日放送]
これは8月下旬までにということでしょうか。
【知事】
これもお盆までにできないかと言ったのですが、建てるだけだったらいいのですが、一定程度強度を持ってつくろうと思うと、コンクリートの固めですとか、こういったことも入りますので、やはり8月いっぱいかかるのではないかということでした。できるだけ早くやろうという整理をしました。
[毎日放送]
シカの食害は長期的に対策をしていくということでしょうか。
【知事】
シカの食害、現地に行っていただくと皆さんも御覧いただけると思いますが、以前は緑、土で覆われていたところが、自然の劣化もあるのかもしれませんが、相当、冬生き残ったシカに食べられてしまうということがあり、裸地化すると雨が降った時に流れるということですので、ちょっと時間がかかると思います。
[毎日放送]
今日の米原市の要望の中では、ワイヤーネットの設置もできるだけお盆までに完了させたいと思いますとおっしゃったと思うのですが、結果としてはお盆までというのは難しいということでしょうか。
【知事】
できるだけ早くやらせますが、今申し上げたように、雨も降りますし、そしてつくったものの強度も一定保つ必要がありますので、担当レベルでは8月中は欲しいということでした。しかし、できるだけ早くやるように指示はしました。